医療現場におけるIT化の現状

昨今の感染症の拡大により、医療現場におけるIT化の遅延が問題として浮彫になりました。感染症患者の総数の把握にも時間がかかり、医療崩壊の危機に直面する場面もあり政府による医療業界の早急なIT化が進められています。具体的には、連絡手段をFAXからメールやSNSといった方法にデジタル化や、オンラインによる会議や診断の普及などです。また、年々導入率が増えているのが、「電子カルテシステム」です。一般病院では約6割、診療所では約5割使用されており、大規模病院では9割以上の導入率となっています。従来の紙のカルテより管理が楽なため、業務を効率化できるとあって今後も普及率があがっていくと見られています。

医療業界には、「地域医療情報連携ネットワーク」というものがあり、病院と薬局、介護施設で管理されている情報を共有できるようになっています。しかし、なかなか普及が進まずに問題視されているのが現状です。利用を拡充させるためには、都道府県からの詳しい説明が不可欠となりますが、そこまで手が回っていないため本格稼働までにはまだ時間を要する可能性があります。

医療業界では、ITに関する知識に乏しい現場が少なくありません。どんなに便利だとわかっていても、知識がなくては導入に積極的になれなくても無理はありません。また、現在の医療現場における人材不足は深刻なものですので、単純にIT化に携わる人員が足りていないことも問題視されています。人材不足を補うためにも医療のIT化が急務であることを理解しておかなくてはなりません。